町(永明地区)の歴史 目次へ
No.14 永明地区の近・現代(その5)
本地区の南部を通過している両毛線の歩みをたどってみよう。
本線は明治22年(1889)12月に全通(高崎−小山間)したものである。
もとは日本鉄道による高崎−前橋間と両毛鉄道による小山−前橋間の別々の路線で
あったが、明治30年にいたって両者の合同が実現し、さらに同39年(1906)の
鉄道国有法の公布によって両毛線も国有鉄道となったのである。
ところで、駒形駅が実際には小屋原にあることは、ご存知のことであろう。このことに
ついては、8月1日付けの朝日新聞の「伊勢崎駅散歩」のなかで、五十嵐富夫氏が巷説を
紹介しておられる。それによると、両毛線敷設(ふせつ)当時、汽車が通ると汽車の煙と
振動によって良質の「まゆ」が出来なくなると考えられていて、駒形の人達は、村を挙げて
鉄道敷設に反対したという。
そのために、駅名はそのままで、駒形駅は町からはなれた現在地に敷設されたものという。
現在も、国鉄新幹線や幹線道路の敷設をめぐって、反対運動のあることを聞くが、「歴史は
繰り返す」とでもいうべきなのか。
その後の両毛線の歩みをちよっと記してみよう。初めてガソリンカーが走ったのが、
昭和9年7月1日、全線に気動車の運転が開始されたのは26年3月5日、東前橋駅の
開業が30年の9月3日、前橋−駒形間の複線化の完成が43年1月13日、このため
東前橋駅は廃止となった。
(『農協えいめい』1972.8.20 27号)
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